基町高層アパートのこと

20180915

また画像と関係のない話。

広島の繁華街、紙屋町から少し北のところには広島城を中心として県庁、中国放送、グリーンアリーナ、NTT、現代美術館といった公的施設が数多くあるのですが、その北西らへん、太田川(旧だっけ?)沿いにあるのが基町高層アパートという20階建てくらいのでっかい団地である。

もともとここは原爆スラムの街だった(夕凪の街 桜の国みたいな)。それを一掃し、そこにいた人を住まわせたのが基町団地である。実際行ってみると普通の団地の部分も結構あるのだが、19号棟~21号棟、それに長寿園の数棟はものすごい大きさで圧倒される。それだけ原爆スラムには人がいたわけですね。

とにかくここも戦後建築によくあるメタボリズム思想に基づいており、かなりゆとりのある有機的な設計になっている。ほとんどの部分において中廊下は2階に一つづつしかないため、一見メゾネットの住居なのか? と思わせるが、奇数階は偶数階から階段を使ってアクセスする構造であり、中廊下型と階段室型のハイブリッドである。ところで将来的にはメゾネットに改造できる造りだったというところも、有機的な感じである。区画に対して斜めに立っているので、一つの直方体「コア」(これがいかにもメタボリズムな用語だ)がいくつも連結し、屏風のようなギザギザの建物が完成する。高島平の壁のような建物も圧巻だが、普段の見栄え的にはアクセントの多いこっちのほうがきれいかな?

ここも例に漏れず過疎化、老朽化が進んでいるが、それでも全体的な空気は十分新鮮である。肝心のショッピングセンターと屋上庭園がボロボロなことだけは引っかかったが…(だって、お隣にマルナカあるしね)

ところでココらへん、すぐ南には広い公園が広がっており、すぐ近くの地下道はグリーンアリーナ、基町クレドを通って紙屋町や本通りまで抜けることができ非常にゆったりとした整備がなされている。もちろん、これも原爆スラムの整理事業でぽっかり出来た用地なわけで、理想的な空間ではあるが経緯を考えるとなんというか、手放しに持て囃すのも複雑ですね…

坂出人工土地のこと

20180913
画像はぜんぜん関係ないですね。

岡山は倉敷下津井と香川の坂出番の州を結ぶ瀬戸大橋の香川側、坂出市は高松以外の香川の自治体の例に漏れずありえないくらい空洞化が進み市街地は惨憺たる有様であるが、そんな坂出駅前にはこれまたすごい建築物がある。それが坂出人工土地である。

とはいえ建物自体はわりとありきたりである。想像してみてください、風呂なしオンボロ団地の直方体が何個か立ってる光景。道はガタガタで草は生い茂り、階段で鳥が死んでいる。意外とどこにでもありそうである。しかし、我々がこの場面を想像する時、正確に描き出すのなら2階にいなければならない。この団地は2階から始まっているのである。

1階レベルに商店が入っていて、2階から住居が始まる、という集合住宅の構造は別段不思議ではない。ところが、坂出人工土地においては1階と2階以上の建物の構造は根本的に異なる。すなわち、1階部分の商店+駐車場の上に敷地全体を覆うような天井を敷き、その上からいくつもの住居棟を建てていくわけである。こうすることで狭い敷地をまるっと住宅地として使うことができて、もともとあった街の様相を維持することができる、という理屈であった。ところが2階部分を新たな土地として登録することは不可能だったらしく、結局土地の利権の都合上こうした空中都市構想はここだけで終わってしまい今となっては昔の話である。

もうここができて60年近くなる。コンクリートの寿命が30年とか言われてるので、普通ならもう建て替えが視野に入っているだろう。ところがここは公営なのに(公営だから?)ほとんど手直しがされていないまま、あらゆるところが綻んでいっている。滅びゆく文明というか、一種のポストアポカリプスな雰囲気を味わえるというか、生きている軍艦島、とでも言っておこうかしら。

岡山市役所

20180911

ずっと岡山に住んでおきながら、実は今まで一度も役場に行ったことがなかった。岡山の庁舎は見るからにぼろく、地震が来たらつぶれてしまう。それに県庁と違ってめちゃくちゃ有名な建築でもない。一体いつ建て替えるのかとか思っていたわけだけれど、いざ行ってみると意外と県庁所在地の風格があってずっしりしてた。というか、格好良かった。何年も住んでてわからないことが結構あるので、あんまり早めに人生見限らないほうがいいのかもしれない。

失踪日記

最近やたら漫画を買っていますが、ずっと読んでるのは吾妻ひでおの失踪日記とアル中病棟。

やっぱ昔の漫画好きなのかもしれない。日本カートゥーン的というか、平仮名でまんがと表記したくなるような漫画である。それでいて描かれる話題は全く古臭くない。読んでいて楽しい。やっぱり、漫画には漫画の文法があって、単純な絵やデザインの問題ではないのだろうと思う。

それはそうとして、題名通りこの漫画では作者は失踪し、アル中になって精神病院にブチ込まれる。陰鬱極まりない二主題がユーモラスに描かれているのだが、うーん、他人事ではないきがする。俺大丈夫なんですかね。今まじめに人生やれている気がしないので……いつかこの漫画みたいに俯瞰して面白おかしく自伝にできる日でも来ればいいね。

文旦飴

bontan

昔はよく食べてましたね。飴っつーか餅? すごく喉に詰まる。あぶない。

最近はこんな感じで覚えた塗り方をささっとできるように体を慣らすことばかりしている。そういうことばかりしていると別の所がおろそかになっていき、この絵みたいに頭と首と肩の位置関係がいいかげんになる。こういうところを全部揃えないと理想の絵にはならないので、気を抜かずに頑張っていこうと思います。