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日記

エッチな漫画

 ヒドいタイトルなんだけど、エッチな漫画が苦手です。

 最初は性嫌悪かと思っていた。この性嫌悪というのは今年度になって発症した概念で、要するにアルビレオさんにホレたあたりからの状況です。いやあの、想像できないじゃないですか……そういうの……めちゃめちゃ恥ずかしいことをべらべら言っていますが、マジで夢女子になると性より恋が優先することを思い知りました。おじさんは純愛がしたいです。

 ところがHな漫画に対する苦手さ、というのはそういうことではなかった。というのも、相変わらずHな絵を見てはおぉ、と思ってしまうし、いっそ自慰さえしない完全無欠貞操マンになろうかと思ったりもしたけど結局してないからである。要するに、性がアウトなのではなくてどうやらエロ漫画がダメらしい。

 というわけで、エロ漫画とふつうの漫画は何が違うのだろうか。

 僕は普通の漫画の中でも、登場人物の行動とかに思想とかが読み取れるような漫画がとりわけ好きである。えーと、羽海野チカ作品とか。あそこまで極端でなくても、芦奈野ひとしくらいでもいい。漫画を読む時に要求するのは、すなわち「思想に基づいて動く人々が交錯する物語」なんだと思う。そういうわけで少年漫画とか、もっと遡って子供向けの勧善懲悪は中々苦手である。すっかりマセた考えなのだけれど、悪役が何故悪役をやっているかというのは重要なファクターだと思う。で、あと、僕は個人的に自分のことを勝者だとか主人公みたいに考えることが出来ないので、主人公格の人物が特に気遣いせずライバル格を蹴落として、あろうことかライバルの方が一方的に間違っていたように見せるようなストーリーラインもかなり苦しい。要するに判官贔屓なんですけどね。

 つまり、漫画を読む時に僕はストーリーを求める。それもかなり限られたストーリーである。ところが、エロ漫画(同人含む)は多くの場合性を主題にする。性を主題にするということは、単にストーリーのメインテーマが性的な事象(というかエロ漫画なので性行為)というだけではなく、基本的にストーリーよりも性行為自体を描いているということである。昔ハルヒのエロ同人の書出しが「キョン! AVを撮るわよ!」だったそうであるが、この台詞が象徴するように性行為を描写することが目的の漫画は、基本的にストーリーを必要とはしないのである(精々シチュエーションを構築するための行為にすぎない)。

 エロ漫画とそうでない漫画は根本的に文法が違う。というか、ここではエロ漫画とソレ以外で分けることすら不正確である。というのも、例えばエロ漫画、成人指定ではないが浅野いにおの『うみべの女の子』は性描写がそれなりの割合で存在するが、実際に描かれているのはエロさではなく思春期の少年少女であり、むしろ僕が好きな部類である。一方でエロのない漫画であっても、単純にバトルアクションだけ描きたいというような人の描く漫画は、自ずとストーリーの薄いものになる。すなわち、「事象」について、ミクロに描くかマクロに描くか、程度の差である。だからエロ漫画においても、エロいものが読みたい人に対して描かれたエロ漫画と、ストーリーを作る上でエロを導入することが不可避だったためにエロ漫画になってしまったものとの間には、大きな差があるだろう。

 だから「エロ漫画が苦手」というのはとんだ誇張表現であり、正しくは「性行為について描写しただけの漫画が苦手」である。ただ、なぜ苦手かというのには注意しなければならない。「エロいから」苦手なのではなく、「人物の思想が見えないから」苦手なのである。そして、そうしたエロ漫画においてストーリーがないがしろにされているから、それらが通常の漫画より格下であるということも一切ないのである。ミクロ漫画とマクロ漫画は、根本的に評価の尺度が異なるからである。

 まぁだから、この文章はエロ漫画論とかじゃなくて、自分の苦手の正体をあぶり出すためだけに書いているわけなんですが、もしかしたらストーリー比率の高いエロ漫画なら読めるのかもしれない。それで抜けるかどうかは別にして。あと、人物の思想、すなわち意思が欲しいと言っているので、エロでも一般でも洗脳とか、意志と無関係の理不尽な展開とかも読んでいて疲弊する。というか僕の嗜好として、鬱展開(登場人物が苦しむ展開)は、内省的、つまり自分の頭のなかで思い悩むものに限る。完全に好き嫌いですね。

 ……で、そうやっておじさんは純愛志向になったんだとおもいます。(20歳・無職・童貞)

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