新カレー・好きな物

 コリアンダ・クミン・ターメリックを同量、カルダモン少し、チリペッパー少し、塩胡椒で味を整え…という、パウンドケーキみたいな作り方でまあまあ本格的にカレーが作れると知ったのが1年前で、それからまあいそいそと作りだめし続けてきた。……のだが、最近ネットでシーフードのかなり美味しそうなカレーのレシピを見つけて作ってみたところ凄く美味しかった。ココナッツミルクとか入れて凄くまろやか。贅沢なカレーというのもいいですね……

 相変わらず少し前に見たアニメのことばっかり考えている。また色んなものを知ることができそうで、少し楽しい。と同時に、本当に最初の一通りを急いで見てしまったので、ひょっとしてすぐ忘れてしまうのではないのかという怖さもある。もちろん、忘れる忘れないで何か誠実さのようなものが測れるわけではないし、それこそ何か見栄のようなもののためにしがみつき続けることのほうが誠実ではないのかもしれないけれど……

 昔から体力テストは凄く成績が悪かったし、1回目のチャイムで動けない生徒だったし、大学の講義も3回目くらいからやっと意味がわかりはじめたり……というような人間だった。今でも休みに出かけようとして気付いたら3時になってたりするし、期間限定のものを食べに行こうとしたらちょうど期間が終わってたり、もう売り切れだったりする。流行っているものについても、ちょうどそういう感じで人よりワンテンポ遅かったせいで好きになりそこねたものが沢山ある。

 善か悪か、好きか嫌いか、というようなものとは別のところで……というより、それをクリアした先に「身の丈に合っているか、合っていないか」というふるいがあって、そこで沢山のものが引っかかっていく。人よりのろい自分の身の丈に合っているものは、ことに同時性・即時性をある程度求めるような流行のものの中には全然なくて、しかも既に形成されたコミュニティに入っていくのもすごく苦手だったりする。だから自然と所謂「覇権」よりも古い曲や漫画に、流行りの施設よりもずっと経ってるオンボロの建物に愛着が湧いたりした。その事を単なる流行嫌いとか卑屈とか言われてしまうのが、まあまあ嫌だったと思う。新しい物だって、別に最初から最後まで嫌いなわけではないので……

 だから今回みたいに、(まあそれでも一足二足遅かったきらいはあるけれど)すごく盛り上がっているもののことを好きになったのは本当に偶然と言うしかなくて、自分でもまあまあ不思議な気持ちでもある。やっぱり好きな物の事を考えているときは、それが流行っていようと流行ってなかろうとすごく楽しいし、身も蓋もないことを言えばブームの物に触れていると色んな人に出会えてすごく刺激的だったりする。……とは言っても、自分がのろいことには変わりないし、どこまで行っても自分のことがいちばん大事。これからどんどんペースが落ちていって、そのうちまたもとの周回遅れになってしまうんだろうけど、自分の歩調に合わせてくれる人や一周まわってまた自分に声をかけてくれる人に出会えたらいいなと思う。

 明日もなんとか生きていきたいです。